クイズハンターの形式は、25枚位のパネルがあり、各パネルに「芸能」「地理」「歴史」「ことわざ」などとジャンルが書いてある。正解するとパネルごとに色々な賞品がもらえる。この商品には値段が付いている。パネルが全部開いた後は「ハンターチャンス」というコーナーになり、正解すると他のチームが獲った賞品を奪えるのだ。最終的に賞品の合計金額が一番多いチームが優勝。優勝者には最後のクイズが出され、それに正解すると旅行がいただける、というものだ。ちょっと違うかもしれないが、まあだいたいこんなところだったと思う。
一問目。まずは柳生さんが選んだジャンルは「テレビ」。
「わんぱくフリッパー、海のトリトンに共通する動物は、なんでしょう?」
ピンポン!
「はい、従姉妹ペアの、ムッキーさん!」
「イ、イルカ!」
ピロロロロン!「正解です!」
やった!賞品は、なんと30万円相当のダイヤのリング。
幸先がいい!この賞品金額が高いほどいい。30万はきっと今日の最高金額だ。
だが・・・
見ると出るとでは大違いだということをこの後思い知った。
解っていても、なかなかボタンが押せないのだ。
いや、押しているが一歩遅れる。どんどん番組は進行してゆく。
そうなると焦りが出て、ますますボタンが押せなくなり、
この後仲良し従姉妹ペアが答えられた問題はたった3問!
しかも、その賞品は「ジャンセンのポロシャツセット」とか
「ティッシュ1年分」という、
金額の安い、どうでもいいようなものばかり。
古の出場者達よ。
今まで馬鹿にしてた私を許してくれ。
だが私達には「30万のリング」ある。
この後のハンターチャンスで誰かの高額商品を奪えば、優勝も夢ではない。
次のハンターチャンスは全5問。その1問目。
例のまげわっぱ夫妻が正解し
なんと私達の虎の子、30万円のリングを奪っていった ( ꒪Д꒪) !
他のチームには「温泉旅行券」や「テレビセット」などの
高級賞品がたくさんあるにも関わらず
リングしか、いい賞品がない、私達から!!
「オホホホ、ごめんなさいねえ」と笑いながら。

情け容赦も人情もない、このまげわっぱ夫妻が憎い!
何が何でもリングは奪い返す!復讐に燃える仲良し従姉妹ペア。
そして最後の問題。チャンスはやって来た。
「香りがよく、堅くて丈夫な性質から、
古来より湯船などに使われる木材は何でしょう?」
わかる!答えは「ひのき」だ。これだけは絶対遅れるもんか!
ボタンを押そうとした瞬間、従妹のまゆが一歩早くボタンを押した。
よっしゃ!まゆ!おまえもわかったか!行け!さあ答えろまゆ!
「ハイ!従妹ペアの、まゆさん!」 柳生さんの声が響く。
まゆはマイクに顔を近づけ、大きく息を吸い、答えた。
大理石!!
ゴーーーン(゜▽゜)!!
ブブーー。
不正解のブザーが虚しく響いた。
結局優勝したのは、我々の30万円のリングを足して
合計80万相当の賞品を獲得した、まげわっぱ夫妻だった。
収録後「ムッちゃんごめんねごめんね」と半べそのまゆ。
泣くなまゆ。。。。君のせいじゃない。
誰のせいでもありゃしない
みんなクイズハンターを甘く見ていた二人が悪いのさ。
帰り、応援団のみんなに食事を振る舞い、重い足取りで家路についた。
どんよりとした空気の中、なぜかシュー・トメだけが元気だった。
数日後、ティッシュ、トイレットペーパー、
キッチンペーパーが1年分詰まったでっかいダンボール箱が
何箱も届き、狭いアパートを占領した。
私は何日もかけ、親戚知人に配りまくった。
そして1ヵ月後のオンエア。
見たくもないと思いつつ見た私の目に映ったのは、
「ごめんなさいねえ」と言った時の、まげわっぱ夫人の小憎らしい顔と
あんなに化粧したのにライトで飛んでしまい
まるで素顔のように見える
のっぺらぼうの従姉妹ペアの顔であった。
今も、参加賞のマスコット「じゅうべい」が
ヨレヨレになりながらも、棚の上で笑っている。

明日に続く





