ムッキーの初老日記セレクト

20年後の伏線回収

パリに泣いた二人

昨日、地元は30℃を越す猛暑。湿度も高く不快指数は相当だったと思われる。


そんな中、いつものようにウォーキングをした私とゆかり。



朝一番で

「相当暑くなるらしいよ。熱中症になっちゃうかもよ。」

 

と彼女にメールすると




 

「なんだよ、意気地がねえな。

まあ、ムッキーが止めようってんなら、止めてもいいんだよ?」




 

という小憎らしい返事が返ってきたので、負けず嫌いの私は



 

「イヤ君が辛いかなと思っただけさ」



とレスをして、炎天下を歩く事になった。

 




二人とも無口だ・・・。


話そうとして口を開けると、熱い空気が胸に流れ込みクラクラする。


やはりこんな日に歩こうなんて無謀であった。止める勇気も必要だったのだ。


ゆかりも、口には出さずとも考えている事は同じようだ。



彼女の横顔に「後悔」の二文字が浮かんでいるのを見逃しはしなかった。

 




「ねえ、今まで体験した大恥な出来事って、なに?」


 

と、黙々と無言で歩く事に嫌気が差して私が聞くと

 

「え・・・えっと

そうだなあ・・・ムッキーは?」 

 

死んだような瞳でゆかりが言う。

暑さで頭も回らない様子だ。

 

「私か…。

二十歳ぐらいの時に、海帰りに友人とビーサンと短パンで、喫茶店と間違えて、

小洒落たフランス料理店に

ぷら~っと入ってしまった事かなぁ。


逃げる事も出来ず、こっちをチラチラ見るカップル達の視線に耐えながら


1,000円もするコーヒーと、1,500円もするひと口サイズのケーキを

平静を装いつつも早食いし、何気ないふりしながらも逃げるように出て来たよ。


これはかなり大恥だったな。」



 

「えっマジで!私も昔同じような経験がある!


まだ結婚前の旦那と喫茶店だと思って入ったら、バカ高いレストランでさ、しょうがなくて一番安いコース食べたんだよ。
それでも二人の有り金合わせても足りなくて、カードで支払ったんだよ。」

 



「ええー!それってどこで?店の名前なに?」

 



「モンパリ。…もしやムッキーも!?」



 

「いや、違う店だ。でも店の名はパリジェンヌ。」

 



「パリつながり!」




 

はは(T凹T)(T凹T)はは!




 

奇しくも同じような時期に同じような名前の店で、同じ大恥をかいていた二人であった。

 


笑ったらほんの少し、暑さが和らいだような気がした。

 

(2004年7月 記)

 

 

後記

冷静に考えてみたら、私の方が恥度はかなり高い。

ゆかりは一応デートで、それなりの格好で、安くてもコースを頼んでいる。

対して私は、海帰りのビーサンに短パン、

同じような格好の友人と二人でフランス料理店に入っている。

しかも日焼けで、ほっぺは真っ赤である。

ひとつ言い訳をさせてもらうと、パリジェンヌの外観は

アップルパイとシナモンティーが似合いそうな可愛らしい喫茶店風だったんだよ!

嘘じゃない!

(´;Д;`)

……。

大恥の赤っ恥だ。