何故あんなことをしたのか、今でもわからない。
あの時のことを思い出すと、未だに強烈な恥ずかしさにいたたまれなくなる。
中一の美術の授業中だった。その日は教室で水彩画を描いた。
教室内は適度にざわざわしていた。
私は絵を描きながら、口の中でホントに小さく、鼻歌を口ずさんでいた。
いつか~君といったぁ~映画~がまた来るぅ
バンバンの「いちご白書をもう一度」だ。
何故この歌だったのかはおぼえていない。
絵の具を混ぜながら私の声はだんだん大きくなっていった。
授業~を抜け出して~二人で出かけた~
すごく気持ちよく声が伸びる。
なんだか私って歌が上手いんかな(๑•̀ㅂ•́)
後で聞いた話だが、そばの席に座っていた友達が気づき
「ムッキー、おいムッキー!ちょっと!」
と声を掛けてくれたらしいが、記憶にない。
雨にやーぶれかけたぁ~街角のポスターにぃぃ
このへんになると、周りの人にもちょっと聴こえ出したようで
「ん?」という雰囲気だったと、その友は語る。
過ぎ去った昔が~鮮やかに甦るぅぅ
おいおい誰か歌ってるよ。誰だ。なんだ。
ざわざわざわ。
私のノドは絶好調。ついに2番に突入した。
僕は無精ひげと~髪を伸ばして~ 学生集会へも~時々でかけたぁ~
ムッキーだよ。ムッキー。
あいつ歌ってるよ。なんだあいつ。どうしちゃったんだ。
就職~が決まってぇ~髪をきーって来た時ぃ~
この頃になるとまるで錦織健なみの声の張り方だったと
当時を振り返り友人は証言する。
そして、各テーブルを廻っていた先生の耳にも、遂にその歌声は届いた。
もお若~くないさとぉ~ 君に言い訳したねえぇぇ
誰だー!歌ってんのはー!?(`□´)
その怒号でハッと我に返った。
え?今歌ってた!?私!?なんで!?
「誰だ!今歌ってたのは!今は音楽の時間じゃないぞ!」
先生はカンカンだった。
友達はみな黙っていたが、宇津木(仮名)という小憎らしい男子が立ち上がり
「今、ムッキーが歌ってましたー。」
と告げ口した。
「ムッキー、オマエか!何歌ってたんだ!立て!」
「ハ、ハイ・・・」
「何を歌ってたんだ?今」
「い、いちご白書をもう一度です」
「オマエは授業中に大声張り上げて歌うほどバンバンが好きなのか!」
「い、いえ・・・そう言うわけでは」
「そんなにバンバンが好きなら…よし!もう一回歌え」
「かか勘弁して下さい!」
「あ、いちご白書はもういい。バンバンの違う曲を歌え」
「そそそんなー(°□°)ー!」
そして私は有無も言わされず、バンバンの「縁切り寺」という曲を
クラスメイト全員の前で熱唱させられた。
その日から、私には ばんばひろふみ好きの女
というレッテルが貼られ、 卒業するまで言われ続けた。
13歳の少女には不名誉なレッテルである。
今でもTVでばんばひろふみを見ると、
この時の大恥体験が
鮮やか~に~甦るぅ~(T▼T)

(2002年8月 記)
後記
あの頃、ラジオを聴くのが流行っていて
ばんばひろふみの番組もたまに聴いていたので
多分そのせいだろうとは思うが
なぜ授業中に熱唱したのかは、未だに謎のままだ。