パー子は、アメリカに住む10歳下の友達だ。
こいつ、トシを誤魔化してるのでは?と疑うほど話が合うし、初老くさい。
これは、パー子とむかし懐かしい「Skype」を使っての雑談の記録である。
ムッキー:「木綿のハンカチーフ」って歌、あるじゃん?
パー子 : 太田裕美だろ、きれいな声だよね。
ムッキー : まあね。でもあの歌、じっくり聴くとさぁ
歌詞がさ、何かかわいげのない女だと思わないか。
パー子 : えーー?そうか?
ムッキー : 昔はね、彼氏が都会好きの嫌な奴だって思ってたんだけど
今聴くとさ、もっと素直に喜べよ!ってな。
贈り物とか、写真とかさ、必ず
「い・い・え~あなた~欲しい物はないのよ」って…
まずは ありがとうだろうが!!
パー子 : あっははははっはは!そう言われるとそうかも。
なんか健気な女だって今まで勘違いしてたな私。
ムッキー : 別れて良かったよ彼氏も。
まったく、田舎好きにも程があるよ。
あれはよくよく頑なな女だよ。
彼氏がスーツを着た写真を見た時、せめて
「素敵になったわね」くらい言っていれば
都会であんなに愉快に過ごしたりはしなかったんじゃないかね、彼も。
パー子 : 意固地なんだよあの女は。
彼でなくても
「け!こんな女もうシラネ」
ってなるわな。
ムッキー : なー!一生懸命手紙書いたり贈り物したりしてるのにだよ!?
パー子 : 何を送っても、何を言っても
「田舎にいた頃のあなたが好き」なんて言われたら
都会で頑張った甲斐がないよな。
ムッキー : だろ。彼だって
「都会に働きに出た事がそんなに悪いのかよ?
じゃあいいよ、こっちで垢抜けたイイ女と
ヨロシクやっちゃうぜ!」
って気にもなるって。
パー子 : まったくその通りだな。
ムッキー : 女が悪いよな。
パー子 : きっと初めは「頑張って田舎の彼女を迎えに行くぜ!」
くらいのつもりだったに違いないよな、彼は。
ムッキー : そう、それ。
パー子 : なのにあの田舎っぺ娘が
あーでもない、こーでもないって。
ムッキー : 結局都会が怖いんだよな。
臆病なんだよ。アイツは。
パー子 : 自分だけ田舎っぺのままで、
彼が都会的にスマートになっていくのが悔しかったのかも。
ムッキー : そうそう!しり込みしてるんだよ。
土のにおいのあなた好きだの
草に寝転ぶあなたが良かったとか言いながら。
パー子: なー、挙句の果てには
「木綿のハンカチーフください。
え?何のため?それは涙を拭くためよ」
って…あれ?なんかやな女じゃん!なんで健気って思ったんだろう。
ムッキー: な、目が覚めた?
パー子: 覚めたー!
木綿のハンカチーフの
「木綿」ってガーゼかね?
ムッキー : 多分ガーゼじゃない?
さくらんぼの模様かなんかの昭和っぽいやつ。
パー子 : 木綿のズロースでもはいてるかもなこの娘っこは。
ムッキー:なんせ口紅もつけないくらいだからな。
パー子 : ったく、こんな女、別れて正解だよ。
もっといい女探したほうがいいよ。
ムッキー:こういう女はなんだかんだ言って最後はちゃっかり
牧場経営なんかしてる、田舎モンだが金はある、
みたいな男と結婚するんだよな。
パー子 : 田中ヨシタケみたいな?

ムッキー: そうそう!それ言おうとした(笑)
パー子 : あの人も若い時はそこそこだったのにな。
出始めの大泉洋みたいに、
地方の人気者だったんだよね。
ムッキー: そうだったなあ。
パー子 : 背が高くて結構いい男だったんだよ
田舎モンだけど、やさしげでよ。
ムッキー: 今もさいオッサンだもんなー
パー子:そんなもんだよね。
ムッキー:そんなもんかもね。
(2005年3月 記)
後記
田中義剛が生キャラメルで大儲けする、もっとむかしの話である。
昨今の昭和歌謡ブームで「木綿のハンカチーフ」もかなり注目されていたが
やっぱりどうしてもいい歌にも健気な女性にも思えなかった。