先日、友達のゆかりがランチに誘ってくれた。
「君の誕生日祝いにさ、おごるから食べ放題に行こうよ」
私はありがたく連れてって頂く事にした。
食べ放題と言うものの経験があまりなく どんなものなのか興味津々であった。
彼女が連れて行ってくれたのは 「スタミ〇太郎」という食べ放題のお店。
ランチは980円で90分食べ放題だと言う。
「いつもは60分なんだけどさ、今キャンペーン中で90分なんだよ🎵」
楽しそうだ。彼女は食べ放題に燃えている。
中に入ると、そこは食べ物の桃源郷であった。
焼肉、寿司、各種お惣菜。
カレーだ!ラーメンだ!まぜご飯だ!
それから各種デザートが、広い店内の大きなテーブルに所狭しと並んでいた。
ゆかりは、皿に焼肉用の肉だの野菜だのを ヤッサカヤッサカと手際よく席に運び
私がどうしていいのかわからずボヤッとしていると
「この皿に食べたいものを取って来るんだよ。 何皿使ってもいいからね」
と、的確な助言までしてくれた。
そして肉を焼きながら、それ食え、やれ食えと 私の取り皿に
焼きあがった肉を放り込んでくれた。
私達は、美味しい美味しいと、色んなものを食べた。
私はものすごく大喰らいに見える体型だが
実は見た目ほどは食べない。
寿司をつまんで、焼肉を食べ、お惣菜をちょっと食べた所で
早くも私には限界が来てしまった。
もうデザートも入らない。
そうゆかりに伝えると、彼女は驚いてこう言った。
「ええ!嘘だろ、もうギブ!? 遠慮すんなよ、食べ放題なんだから」
「いや…遠慮なんかこれっぽっちもしてないって」
「ダメダメ、ケーキだって何種類もあるんだから。
アイスクリームもお団子もプリンもフルーツもあるんだよ。
デザート食べなきゃ!後悔するよぉ」
そう言われるとそんな気がしてきた。 せめてケーキだけでも食べよう。
私は小さめのケーキを一切れ取って来た。 一口食べると、なるほど食べられた。
「デザートは別腹」とはよく言ったものだ。
だが『あとお団子の2、3本は食べられるかも』 と思ったのは哀しい錯覚であった。
もう、身動きがとれないほどの満腹になってしまった。 いやもう満腹は通り越していた。
もう、動けない。 どうしよう。
私と一緒にケーキを食べたゆかりが言う。
「マジで!?アイスなら入るんじゃない?え、だめ?
果物は?ダメなの?そっか。なんだよ小食だな」
君が大食漢なんだって…
彼女はこの後、アイスクリームとフルーツも食べていた。
そして、本来甘い物よりしょっぱい物が好きな彼女の 、信じられない言葉を聞いた。
「なんか口の中が甘くなっちゃったなあ
シメにうどんを食べよう。
ムッキーも食べる?」
う、うどん~!?
「何言ってんの!?うどんはデザートだろ」
Σ(;゜□゜)
「白玉もうどんも似たようなもんじゃん。
ただ、汁が甘いかしょっぱいかの違いだけで。
あの汁が飲みたいんだよ、汁が。」
今日の君には説得力があるな…
そして彼女は、小さい椀ではあるが、最後にうどんを食べ
食べ放題はお開きになった。
「さすがにちょっと苦しいね🙄」
そう言って笑うゆかりを、 私は満腹でかすむ目で見つめた。
おごってもらって恩知らずかもしれないけど…
もう食べ放題は沢山だ。
(2003年11月 記)
追記
せっかくの食べ放題なのに、たいして食べられない私に嫌気がさしたのか
これ以降食べ放題には誘われなくなった。
ゆかりは、食べ放題以外はとてもゆっくり上品に食べる。
そう、ゆっくり、ゆっくり…
たくさん食べる。
なぜあんなにスリムなのかは、謎である。