先日、焼き物と稲荷神社で有名な
茨城県笠間市に、オッサン君と行ってきた。
飯椀が欲しいなと考えていた。
GW前の日曜の午後。
思惑通り、すいていた。
何店か見て周り、気に入った飯椀も見つかり、それにしようと思ったが
まあこれは第一候補ということで、と
それは棚に戻して次のお店に。
そのお店に入って、まず目に入ったのは
何組かディスプレイされた、焼物の内裏雛。
『この時期に雛人形?』
と、まずはちょっと違和感を覚えた。
でも、小さめで色も落ち着いていて、これなら一年中飾ってもOKだなと思えてきた。
じっくりとそれらを眺めるうちに、ある一組の内裏雛から目が離せなくなった。
他の物と比べて、それだけが特別美しいとか大きいとか高いとか
そんなことは全くなく、ごく平均的な一組。
それが何故か私の心をとらえ、どうしても欲しくなった。
値段を見ると、目ン玉は飛び出はしないが
ウチで必需品じゃないものに払う金額でもない。
それに、私は人形の類は特に好きではないので
まず買わない、飾らない。
それなのに、いつまでもいつまでもその場を離れがたく…
何度も手にとっては眺め、戻し、また手にとって・・・を繰り返している私を見たオッサン君は、のちに尋常じゃないものを感じたと言っていた。
「そんなに欲しかったら、買えば」
普通なら「そんなの買ってどうすんの。もう行くぞ」と言う所。
そんな言葉がつい出てしまったオッサン君も、もしかしたらその雛人形の焼物に、何かを感じたのかも知れない。
「いや、でもこの値段はちょっとねぇ・・・」
なおも躊躇する私にオッサン君が信じられない一言を
「じゃあ、俺が買ってやる」
( ゚Д゚)エーッ!?
いやホント、文字を大きくしちゃうぐらいありえない!
オッサン君は小遣いの殆どを趣味のカメラやその小物に注ぎ込み
また十何万もするナントカってカメラが欲しくて、小遣いを貯めねば!と
つい昨日だか一昨日だか決心してるのを聞いたばかり。
そのオッサン君が、こんな大金(ウチにしては)を出してくれるはずが
普通は、絶対ない!100%ない。
「その代わり、今年はもう、何も買うなよ!
誕生日だのクリスマスだのも何も買わないからな」
と、まるでものすごく高いものを買ってくれるような口ぶりで言われても
まあそれでもいいやと思うくらい、私はその内裏雛が欲しかった。
というわけで、もうすぐ結婚記念日ということもあり、
ありがたく買ってもらうことにした。
お店の人いわく
こういう小さな焼物の雛人形なら、雛祭りの時期だけでなく
夫婦円満や、独身なら縁結びとして、一年中飾ってもOKですよ、との事。
けっこうスピ系の店員さんで
「呼ばれたんですねえ」
なんてニッコリしながら、とても丁寧に包んでくれた。
雛祭りの時期用に、手作りの屏風や、小さな桃の花の飾りも入れてくれたので
来年の桃の節句が、今から楽しみだ。
普段はただ赤い敷物の上に、二人で座ってらっしゃるお内裏様とお雛様。
どうして私を呼んだのか、わかりませんが
きっといいお守りとなってくださる事と思う。

PS:結局、飯椀のことは二人ともすっかり忘れ買わずじまい。
初めからお雛様を買いに行ったようなものだ。
(2008年4月 記)
追記
今でもこの内裏雛は大切に飾っている。
飯椀は翌年に無事購入したが、今はもうない。
飯椀だけでなく、うちの食器の殆どは、2011年の震災で割れてしまった。
笠間焼など、焼き物が好きだったが、震災後はこだわりがなくなり
使いやすく気に入っていればなんでも良いと考えるようになった。
ヤマザキ春のパン祭りでもらう丈夫な白い皿なんか最高だよね。